髪が広がって多いから、すいて軽くしてほしい。
このように考える方が多く、今までも確かにそうする美容師も多いので正解なのかもしれませんが、僕は違うと思います。
量を減らさないわけではありません。
ただ量が減って軽くなれば広がらない。というのは違うと思っています。きっと皆さんの中にも何となく感じている方も多いのではないでしょうか?触った感じは軽くなって切ったー!っていう気になるけど乾かしてみるとあまり変わってないような・・・。でもどうしたらいいか分からないし、とりあえずもっと軽くしたら変わるかな??というような。
一言に「すいて軽くする」「すく」と言っても色々な方法があります。ただ世の中の美容師の9割がスキバサミで量を減らしていきます。理由は技術がそんなにいらないのと、早いからだと思います。実際、カットの勉強をしていく時にかならずスキバサミで量を減らしていくことを大抵の美容院では教えられていると感じます。入社してすぐ難しい切り方をしてもなかなかヘアスタイルを作ることが出来ず嫌になってしまいますので当然です。そういったカットから覚えていき会社によっても様々ですが、大半は自分でカットの講習会などに足を運びながらカットの技術を磨いていきます。
なので、スキバサミが絶対悪だと言うつもりはありません。必要に応じて使います。ただ一杯量を減らして軽くして広がらなくしたいというのは難しいのです。それはスキバサミを入れると髪の毛に『動きが出る』からです。広がっている髪の毛の原因も色々ありますが、多くの場合は何かの理由で髪の毛が『動いているから』まとまりません。
例えばクセがあったり。髪が硬く浮き上がってしまったり。
広がらないようにするという事は、髪の毛が『動かない』で収まりが良くなる事が大切です。ですので、動きを出すための道具になるスキバサミを使いすぎると髪が動いてしまい触った感じは軽くなったけどまとまらない。という状態になります。
これでは皆さんの望んだ状態とは違うのではないでしょうか?
皆さんの中でもこの、〖減らせば広がらない〗という感覚を無くしていってもらいたいです。
手に持ったティッシュはひらひらと落ちるのに対して、画用紙だとどうですか?ストンっヒラって感じで落ちます。軽いものの方が動きやすく、重いものの方が下に落ちます。髪の毛がまとまっている状態は、下に髪の毛が収まっている状態です。重さがあったほうが収まるという事になります。広がる原因は『動き』です。
この場合の量の減らし方は別の方法でします。イメージを持ってもらうのが難しいのですが、広がりの原因になっている癖のある毛や立ちあがっている毛を1本1本丁寧に切るように量を減らします。そうすると『動き』が弱くなり髪の毛が収まるようになります。ただスキバサミでやるよりも量は減りません。でも結果として、
- 髪の毛の収まりが良くなる
- 髪の毛が痛みにくくなる
- 自分のスタイリング上手になる
こんな成果が出てくるはずです。
そこにはお客様の皆さんの今までと違った考えへの理解も必要になってきます。
一緒に今まで以上最高のヘアスタイルを作っていきましょう。