ストレートパーマが広まってから、「ストレートをかけるとパーマがかからない」という問題が起こりました。ですが最近の技術の進化もあり変わってきています。美容室でもう話を聞いて知っている方も多くいると思いますが、最近はストレートをした髪にもパーマで形を付けることが出来るようになってきました。
ただ何でも出来るわけではありません。どういう時はパーマが出来て、どういう時はパーマが出来ないのか?というのを少し今の現状からまとめてみようと思います。
【パーマをかけられない時】
- ストレートパーマの後、通常のパーマ施術でかける。(昔からあるパーマ)
- ストレートパーマで熱処理が過剰に行われている。
- ダメージが強く残っているとき。
〖パーマをかけられる時〗
- 通常のパーマではなくデジタルパーマでかける。
- ストレートパーマで最低限の熱処理しか加わっていない。
- ダメージを残さないようにしてパーマに耐えられる状態にする。
1.のポイントでパーマの種類なのですが、髪の毛にストレートパーマでも家でコテやアイロンを使っている事でも熱が作用すると髪の毛の状態が変わってしまいます。イメージでいうと生卵が熱を加えてゆで卵になるのと同じ現象です。これも液体のたんぱく質が熱によって固形に変わったという事だと思います。全く一緒ではないのですが髪の毛のたんぱく質が熱で形状変化してしまうという事に関しては同じような現象が起こるという事です。そしてこの現象は不可逆変化といって元に戻りません。ゆで卵を生卵に戻すことはできますか?できないんです。
なので、ストレートやお家でのアイロンなどによる熱処理で髪の毛の構造が少し変わってしまうことによって通常のパーマ液の力では狙い通りに髪の毛にパーマをかけるのが難しくなります。デジタルパーマは通常のパーマとは作用する場所が違う為かけることが可能なのです。もしストレートパーマ後にパーマをしたいときはデジタルパーマにしましょう。
2.の部分で、熱処理の大小問題です。さっきも説明した通り熱の加わった髪の毛は元の髪とは変わってしまいます。卵でもそうですが生卵・半熟・ゆで卵みたいに熱を加えるほど固まっていきます。髪の毛も一緒で熱が多く加わると髪の毛の構造にも大きく変化が起こります。そうするとデジタルパーマだとしてもパーマをかける作用が追い付かなくなります。結果パーマをかけられません。しかしココはお客様にとっては分からないところでもありますよね?家でのコテ・アイロンは多少気を付けられますが、ストレートパーマの時などの熱のかけ方などは美容師の匙加減です。見極めるポイントなどもありません。信頼するしかないという漠然としている部分です。これはお医者さん選びとも同じですね。 ただ将来のことまで考えて関わってくれる美容師さんにお願いするという事をオススメします。
3.のダメージについてです。ここに関しては前にも「ダメージケアよりも痛ませないことが大切」という記事も参考にしてください。病気や健康面とも同じで予防が大切だという事で。どれだけ進歩してきていてもまだ体と同じものは足せません。髪の毛も一度失ったものと全く同じものを足すことは出来ません。そのトリートメントにしても髪の成分に似たものを髪の毛に定着させる・似た状態にする。という事をしているだけです。ですので元の状態から傷つけないことが大切です。 ココもはっきり言って美容師の匙加減です。未来も考えずただ今日に仕上がりだけで追い求めれば簡単で安価に美容は出来ます。でもその髪の毛を身に着けてこの先もずっと過ごすのはお客様です。そのことを真剣に考えて仕事をしていくべきだと美容師に対しては思います。
このようにストレートパーマをしていてもパーマをかけてデザインすることは可能です。ただ状態次第ですのでご相談いただければと思います。